「人付き合いに、なんだか疲れてしまった」
「あの人とは、もっといい関係でいたいのに」
そんなふうに感じることはありませんか?
私たちの幸せを大きく左右しているもの。それは、お金や地位よりも人間関係だと言われています。
そして、いつも穏やかで幸せそうな人には、人間関係にちょっとした共通の習慣があるのです。
この記事では、アドラー心理学や幸福研究をヒントに、幸せな人が実践している人間関係術を5つご紹介します。
■ 幸せを分けるのは「人間関係」
『嫌われる勇気』で広く知られるようになった心理学者アルフレッド・アドラーは、こう考えました。
「人間の悩みは、すべて対人関係の悩みである」
背が低い、収入が少ないといった悩みも、比べる相手がいなければ生まれません。悩みの根っこには、いつも人との関係があるということです。
このことは、研究でも裏付けられています。
1938年から続くハーバード大学の「成人発達研究」は、2,000人以上の人生を80年以上にわたって追跡してきました。その結論は、幸福と健康を左右する最大のカギは「よい人間関係」だというものです。
以前、84歳の女性のお話を伺う機会がありました。ご主人を亡くされて10年ほど、一人で暮らしている方です。
「もう人と関わらず、静かに丁寧に暮らしたいんです」とおっしゃっていました。
これまでの経験から人付き合いに疲れ、一人でいることを選ぶ。それもまた、人との関係の一つのかたちです。
人と関わることも、距離を置くことも、すべては人間関係。だからこそ、人間関係は私たちの幸福のほとんどに関わっていると言えるのです。
■ 大切なのは「周りの数十人」との関係
「人間関係が大事」と聞くと、すべての人とうまくやらなければ、と思ってしまうかもしれません。
けれど、私たちの人生を左右しているのは、何百人、何千人との関係ではありません。
一緒に仕事を進める仲間、家族や友人など、自分の周りにいる数十人、場合によっては数人との関係です。
全人類を相手に考えると、イメージがわかず、かえってストレスになってしまいます。
まずは身近な人との関係を大切にする。それが、幸せな人間関係の出発点です。
■ 幸せな人がしている人間関係術5つ
ここからは、すぐに実践できる人間関係術を、5つに絞ってご紹介します。
① 争いを避ける──「場の空気」にマイナスを入れない
幸せな人は、とにかく争いを避けようとします。
人間関係は、たった一つの言動やきっかけで一気に崩れることがあります。あんなに仲が良かったのに、ののしり合いになったり、SNS上で言い争いが始まったり。
信頼していた相手に裏切られたと感じると、人は一気に攻撃する側に回ってしまうのです。
「愛の反対は憎しみではなく、無関心」という言葉があります。
本来、好きと嫌いの間には「無関心」という中立の状態があります。ところが、好きだった分だけ期待を込めていると、それが裏切られたときに、無関心を通り越して「嫌い」へと振れてしまうのです。
関係がこじれると大変なことになる。幸せな人は、それをよくわかっています。だから、人と人の間に流れる場の空気に、ネガティブな感情を持ち込まないのです。
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② オープンエンドにする──次につながる関係を育てる
人間関係は「関係性」なので、今日の会話が次回以降へと続いていきます。
幸せな人は、その人と良い関係を続けたいという気持ちを、会話の終わり方にも込めています。社交辞令ではなく、「次はこうしませんか」と、関係が明るく深まる方向へ持っていくのです。
会話には、クローズドエンドとオープンエンドがあります。
- クローズドエンド:「お昼ご飯は食べましたか?」→「はい」「いいえ」で終わる
- オープンエンド:「お昼ご飯は何を食べましたか?」→「親子丼です」「おいしかったですか?」と続いていく
人間関係も同じです。次につながる終わり方をすることで、関係は少しずつ育っていくのです。
③ 一定の距離を保つ──相手を変えようとしない
「親しき仲にも礼儀あり」ということわざがあります。良好な関係を築いている人の多くは、相手との間に一定の距離を保っています。
気の合う飲み友達や、趣味でつながった仲間との間でも、お互いに気を使い合っているものです。それは、相手が大切な人だからです。
自分の世界に、どこまで相手が入ってくることを許せるか。その心理的な距離感しだいで、人間関係は遠くも近くもなります。
人間関係が崩れるきっかけで多いのが、相手を変えようとすることです。
それまで良い関係だったのに、急に相手の心に手を突っ込んで変えようとする。すると相手は、自分の領域を破られたと感じ、不快に思ってしまいます。
アドラー心理学でも、自分の課題と他人の課題を分けて考える「課題の分離」が説かれています。
幸せな人は、自分を守りたい気持ちも、相手の気持ちもわかるからこそ、人を変えようとせず、自分に戻ることを大切にしているのです。
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④ 上下関係を作らない──すべての人と「横の関係」で
もし上下関係があるなら、それは人間関係というより、仕事上の関係に近いものです。
幸せな人が築いている人間関係は、対等で、何でも言い合える関係です。
どれほど社会的な立場が高い人でも、一人の人間です。地元に帰って昔の友達と過ごす時間が楽しみなのは、肩書きを外して自分に戻れるからではないでしょうか。
そんな場に「自分は偉いんだ」という態度を持ち込まれると、せっかくの居心地の良さが崩れてしまいます。
アドラー心理学では、上下の「縦の関係」ではなく、対等な「横の関係」を築くことが大切だとされています。
一人の人間同士として、相手との関係を大切にする。それが、幸せな人の心がけです。
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⑤ お返しをする──借りを作らず、対等でいる
幸せな人、そして豊かな人は、贈り物やお返しをしっかりする傾向があります。
そこには礼儀や感謝の気持ちがあるのはもちろん、借りを作らないという意識もあるのかもしれません。
借りがあると、どこか自分の気持ちがコントロールされているようで、落ち着かないものです。
どちらか一方に偏った関係は、心地よく続きません。お返しをすることで対等な関係を保ち、次へとつながる関係を育てているのです。
■ 幸せな人間関係の5つの習慣
争いを避ける × 次につなぐ × 距離を保つ × 対等でいる × お返しをする
どれも特別な才能はいりません。今日から一つずつ意識するだけで、身近な人との関係は少しずつ変わっていきます。
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■ 人間関係と幸せに関するよくある質問
Q. 人間関係に疲れてしまったときは、どうすればいいですか?
無理に関係を広げる必要はありません。一人の時間を持つことも、大切な人間関係の選び方の一つです。
疲れたときは、瞑想などで心を整え、まずは自分に戻る時間をつくってみてください。
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Q. 友達は多いほうが幸せですか?
大切なのは数よりも関係の質です。ハーバード大学の成人発達研究でも、心の通い合う関係があるかどうかが、幸福を大きく左右するとされています。
Q. どうしても相手を変えたくなったときは?
「これは誰の課題か」を考えてみましょう。相手の考え方や行動は、相手が決めることです。自分にできるのは、自分の関わり方を選ぶことだけ。そう割り切ると、心がぐっと軽くなります。
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■ まとめ:幸せは、身近な人との関係から生まれる
私たちの幸福を左右しているのは、周りにいる数十人との関係です。
争いを避け、次につなぎ、距離を保ち、対等でいて、お返しをする。幸せな人は、そんな小さな習慣を積み重ねています。
「幸せな人間関係は、相手を変えることではなく、関わり方を選ぶことから始まる」
まずは今日、身近な誰かとの会話を、次につながる言葉で締めくくってみませんか?
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