マインドフルネス思考

「リフレクション」内省する力の高め方ーマインドフルネス思考による自己成長を目指して

この記事は、リフレクション(内省する力)を高めて、個人とチームの力を高める方法を解説しています。

リフレクションー内省(ないせい)するということ

人間の持っている能力の中で最大のものは、抽象思考ができ、それに基づいて自分を進化させる力だろう。

人間は行動し、間違いも犯す。そして、「自分がすべて」と思っていた頃から、いわゆる”大人”になり、他者への思いやりに心を割くことも可能になる。

これらは、人間が持つ最大の力でもある「考える力」によるものが大きい。この「考える」という行為そのものが、リフレクション=Reflection、すなわち内省し、自己を変化させていく力である。

Reflectionとは、そもそも「はね返す」という意味であるが、何をはね返すのか?それは、抽象思考によって導かれた「理想」に対して、「今の自分」をはね返して考えてみるということでもあるのだ。

この内省する技術であるリフレクションは、個人から組織まで、成長に不可欠な「考える」行為であろう。

マインドフルネス思考との共通点

この内省するということは、多くの点でマインドフルネスと共通点がある

筆者は、マインドフルネス的な考え方ができることを「マインドフルネス思考」と呼んでいるが、これはすなわち、「内省する技術」のことである。

内省、禅定、観想、瞑想、霊操、マインドフルネスなど、それぞれに心や感情、行動を振り返る流派はあるものの、共通点がある。

それが、自己を客観視し、あるべき姿を見つけ、自己コントロールによって、理想の姿に近づけていくという行為である。

内省してこそ成長する

ここで考えてみたい。

あなたは、いま5人の部下を抱えるチームリーダーだとしよう。そこでは、あるプロジェクトをチームとして機能させなければ、成果はあがらない。これからそのメンバーを選出しようとしている。

その時に、「人の話を聞ける人間」を選ぶか、それとも「優秀だけれども、人の話を聞かない人間」を選ぶか。

ほとんどの場合は、前者を選ぶだろう。「チーム」という前提はあるものの、私たちの仕事のほとんどは、人の助けやある会社のサービスのおかげなど、人の協力なくして成し遂げられるものはない。

このチーム意識を高めるために、「内省すること」や「マインドフルネス思考」が必要になってくるのだ。

内省の効果

内省すること(リフレクション)の効果・メリットは数多い。それを以下に挙げてみよう。

自己客観視力

内省するということは、自分を第三者のような視点で、客観視するということである。心理学では、メタ認知とも言われている。

共感力

内省するときには、他者と照らし合わせ、また他者の言動や行為を思い浮かべながら、自己修正していくことが多い。そのため、内省は他者の立場になって考える共感力が高まっていく。

安定感

自分をふり返ることができる人間と、そうでない人間の差は「安定感」にある。自分をふり返らずにまい進している時、ブレーキのない車のような危なっかしさを感じることだろう。

自己信頼

内省する力は、はじめのうちは、自己嫌悪に陥ることがあるものの、正しい内省の方法を行うことで、自分が培ってきたものへの自己信頼が深まり、表面的ではない本物の自信が身に付いていく

自己批判能力

内省は、換言すれば、「自己批判」でもある。誰しも自分を批判されることは好ましくないが、自分で自分を批判するということは、その場合、あなたは「理想の姿」が分かっているということである。そのビジョンがリーダーの条件でもある。

対話力

内省する力は、対話力を高める。個人として、チームとして内省し、学習する組織を作っていくならば、そのベースになるのは、対話である。その際には、ブレーンストーミングも取り入れ、相手を批判しないことが大切である。

傾聴力

内省は、対話力とともに傾聴する力を身につける。対話をするためには傾聴することが大切である。マインドフルネスにおいても、他者の話に集中して、傾聴するという技法もある。判断せずに、ただ相手の話に集中することで、相手の考えを引き出していくことができる。

議論できるチームへ

これら、内省する技術を高めていくと、チームが「議論できるチーム」へと変化する。組織が行き詰まってしまう大半は、議論ができないチームになっていることである。建設的な議論のカルチャーをつくるためにも、「内省するカルチャー」を醸成し、学習する組織をつくることが、成長するチームビルディングの条件であろう。

内省する手順

個人として内省(リフレクション)する場合、以下の手順で行ってみてほしい。

  1. 自分の生い立ちをふり返り、自分を知る
  2. 0歳~小学校入学まで、どのように過ごし、何を学んだか
  3. 小学校時代、どのように過ごし、何を学んだか
  4. 中学校時代、どのように過ごし、何を学んだか
  5. 高校時代、どのように過ごし、何を学んだか
  6. 大学時代、どのように過ごし、何を学んだか
  7. 今の仕事をするきっかけは何だったか
  8. 仕事をしはじめて、学んだことは何か
  9. 自分は「どうなりたいか」を考えてみる
  10. 自分は「どうあるべきか」を考えてみる
  11. それに対して、自分は「何を加えればよいのか」を考えてみる

おわりに

自分の内面をふり返ることは、ある意味、終わることのない自己探求の旅である。

人類の発展に貢献してきた偉人たちも、この終わることのない旅をし、人々を新たな世界へ導いたことだろう。

私たちも”偉人”とはいかなくとも、自己探求の小旅行をしていくことで、人生という旅が目的地に向かって近づいていきたい。

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